マイアミビーチ市バスミュージアム

<<BACK NEXT>>
設計期間 1993年6月-1997年8月
施工期間 1998年2月-2000年3月
延床面積 3,175m2:第一期 (改修部1,220m2含む)
2,679m2:第2期(予定)
施主 City of Miami Beach
建築設計 磯崎新アトリエ
現地協力設計事務所 Spillis Candela DJMJ/ Frankel & Associates/ Zyscovich
構造/設備設計 Spillis Candela DJMJ
照明設計 Fisher Marantz Renfro Stone
ランドスケープデザイン Martha Schwartz Inc.

PHOTO CREDIT: GA Photographers

アメリカ、フロリダ州マイアミビーチにある美術館、BASS MUSEUMの増築計画である。

1993年に美術館を現代美術へ向けて再編するために、指名コンペ形式で設計案の選出が行われ、最終的に我々の案が当選となった。コンペのプログラムは、既存の美術館に増築するのみであったが、我々はさらに踏み込んで、次世代の美術館として成立するように整備する内容の提案を行った。具体的には、1925年に建設されたボザール様式の既存建物部分を、古典的美術の展示を中心とした第一世代、あらたに増築されるギャラリーを第二世代の美術館としてとらえ、さらに第三世代美術館として広い庭園内に作品用の独立する小さなパビリオン群を配置するというものであった。現代美術の傾向であるサイト・スペシフィックな作品にふさわしい展示方法を提案したのである。現在、この増築計画はいくつかの段階に分けて行われているが、現段階はコンペで提案したところの、第二世代の近代美術館である。既存建物の中心軸に対して線対称の位置に長方形平面のギャラリーが一対配置される計画で、今回その片側のウイングが完成した。

ギャラリー内部は、シンプルに構成され、ハイサイドからの自然光と、調光可能な人工光を同時にコントロールできるようにしている。このメイン・ギャラリーは、地上から1層分高い位置にあり、地上階にはミュージアム・ショップと池に囲まれた彫刻テラスがある。既存建物の中心軸上には、エントランスとそれに連続するロビー、上階ギャラリーへのスロープが収められ、各施設を連続的に結びつける空間となっている。また、既存部は南側ウイングがレクチャー等の為の多目的室に、北側ウイングがカフェに改修された。カフェと新設建物の北側ウイングに囲まれた中庭は、屋外カフェテラスとして新旧2つのファサードに囲まれた憩いの場となっている。南側展示ウイングは次期工事として計画されている。

閉じる