大分県のコンベンションホールと、別府市市民ホールを一体とした複合文化施設である。
敷地は県と市双方の所有地にまたがっており、コンベンションホール、フィルハーモニアホール(市民ホール)、国際会議場、レセプションホールの、4つの施設と、シンボルとしてのグローバルタワーが配置されている。4つの施設は、それぞれ独自の幾何学的な形態を与えられ、それらがホワイエを介して集合している構成をとっている。
フィルハーモニアホールとコンベンションホールは、メインエントランスを挟んで背中合わせに配置されている。フィルハーモニアホールは1,200人収容の馬蹄形4層バルコニー形式のホールで、アコースティック音楽を主眼に設計されているが、演劇での使用も可能である。この施設の中核をなすコンベンションホールは、最大約8,000人を収容するもので、平土間での展示やアリーナ形式のイベントなど、多種多様の演目に対応できるように、段状の可動席や天井を走行する2基のブリッジ等といった設備が用意されている。
国際会議場は円筒形の外形をしており、6ヶ国語対応の同時通訳設備や16面マルチビジョンなどの最新設備が導入されている。レセプションホールは900人収容の1室空間で、楕円状の外倒れする壁に囲まれている。光天井内に遮光ブラインド・人工照明・昇降式演出照明など、各種の演出機材が内蔵され、宴会・集会・展示等に対応可能である。
敷地西側に建てられたシンボルタワーは、別府公園の中心、海抜0mの地点を球心とする直径1kmの巨大な仮想の球の一部を取り出したものである。チタンクラッド鋼による表面パネルの割付、構造ブレース、広場の床や建物内部の床のパターン等が、この球心を中心としてデザインされ、この仮想球体を、別府市の活性化の中心として、またコンベンション都市の新しい核として象徴するものとして表現している。