ティーム・ディズニー・ビルディング

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設計期間 1987年8月-1989年6月
施工期間 1989年7月-1991年4月
延床面積 39,950m2
施主 Disney Development Company
建築設計 磯崎新アトリエ
現地協力設計事務所 Hunton Brady Pryor Maso Architects P.A.
構造設計 O.E. Olsen & Associates, Inc.
設備設計 Tilden, Lobnitz, Cooper Inc
照明設計 Fisher Marantz Renfro Stone
家具デザイン CRS Sirrine and Associared Space Design
ランドスケープ Foster, Conant & Associates, Inc.

PHOTO CREDIT: GA Photographers/ Yasuhiro Ishimoto

Team Disneyは、フロリダ州オーランド近郊に展開する、ディズニー・ワールドの社屋である。この建物には、テーマパーク運営に関わるディズニー・グループ各社オフィスがまとめられている。

南北に軸をもつ、全長およそ 250mの建物はオフィス棟と、その中央に位置するエントランスの3つのブロックに分けられている。両翼のオフィス棟は4層のヴォリュームで、中央に細長いアトリウムが挟み込まれている。屋根に設けられたハイサイドライトにより、自然光がアトリウム内部に採り入れられる。また、アトリウムにはブリッジとカスケード状の階段が設けられ、オフィス間を縦横に結ぶ空間として機能している。オフィス棟の外壁はピンクに塗られたアルミパネルと反射ガラスが、同一面になるよう納められたカーテンウォールである。

2つのオフィス棟はメインエントランスによって繋がれている。ひときわ目立つ円錐台“コーン”は、天空に抜けた中庭で、巨大な針が上部に設置されており、それが壁の内側に落とす影により時と季節を知らせる日時計になっている。日時計の目盛りパターンは、外部の意匠としても用いられている。円錐台の地面レベルでの直径およびその高さはともに36mである。この“コーン”のまわりに、多様な材料・色彩・形態を持つエレメントが集められ、この建物を特徴付けている。

“コーン”に相貫している大きなブルーの壁と、低層部の上に斜めに刺さっている赤い立方体はともにトップライトである。また、2種類の赤御影石が市松模様に貼られた、東西2つの立方体ブロックには、東側が吹き抜けのエントランスホール、西側は3階レベルに会議室が収められている。“コーン”を貫くブリッジは会議室へのアクセス路となっている。メインエントランス及び“コーン”への出口には、ミッキーマウスを幾何学的に表現した“ミッキー・キャノピー”が貫入しており、機能的にも視覚的にも人々をこの建物に誘う焦点となっている。建物周囲にはランドスケープとして人造湖が配されている。水面に映る建物のシルエットは、この建物がディズニー・ワールドを支え、牽引する旗艦の役割を担っていることを暗示している。

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