北九州市立美術館 改修

<<BACK NEXT>>
設計期間 1993年-1994年
施工期間 1993年5月-1993年9月/ 1994年1月-1994年6月
延床面積 7,864m2
施主 北九州市
建築設計 磯崎新アトリエ
構造設計 木村俊彦構造設計事務所
設備設計 環境エンジニアリング

PHOTO CREDIT: Kita-kyusyu City Museum of Art

1974年に建てられた北九州市立美術館は、開館より20年の間、広く市民に親しまれてきた。このあいだに美術表現も様々に発展し、その展示手法も多岐にわたるようになり、既存の展示空間では対応しにくい状況が生まれてきた。そのため、展示室をはじめ美術館本館全体の改修工事が行われた。

様々な企画・作品に対応させることを目的として、2つの企画展示室を、それぞれ異なる空間的特徴を持つよう改修された。照明方法はいずれも、グリッド上に並べられたトップライトからの自然光を、機械的にコントロールしていた。改修では、よりきめ細やかな調整が可能な、最新のディテールを持つ人工光を用いることとした。第一企画展示室は光天井とし、あらゆる作品に対し適切な照度分布を提供できるものとした。一方、第二企画展示室では、第一企画展示室よりも天井高を高く確保するために、ウォールウォッシャーとライティングトラックによるフレキシブルな照明システムを導入した。2本のシリンダー内にある常設展示室は、主にこの館所有の作品に対応する空間とするため、改修が加えられた。所有作品の特徴は、大型のものが多い。展示壁面高さを最大限確保しつつ、光源を可能な限り感じさせない手法として、天井の中央部のみがドロップした断面形状を採用し、ドロップ部分に照明を組み込んだ。

閉じる