長野県木島平村の役場及び公民館の建替えに伴い、2013年に行われた公募型プロポーザルの応募案である。
敷地は緩やかな傾斜を持ち、周囲に棚田状の地形が連なる緑豊かな地域である。
プロポーザルでは役場・図書館・ホール・交流施設の機能を有する複合施設の提案が求められた。
我々は、「用がなくても行って楽しい施設」の創出を目指し、4つの機能が柔らかくつながる事で、老若男女、大人も子供も親子連れも楽しい一日を過ごせるような複合建築のデザインを提案する。
・役場
役場機能はクイックサービスとスローサービスに分かれており、クイックサービスは村のラウンジに配された総合窓口カウンターで行われる。スローサービスは事務室でおこなわれ、落ち着いた雰囲気でじっくりと相談や打ち合わせをすることができる。
・図書館
図書カウンター、新聞雑誌、視聴覚コーナー、児童コーナーなどが配され、村のラウンジと一体化した動的ゾーンと静かな場所でゆっくりと読書ができる静的ゾーンとに柔らかく分けられている。
・ホール
ホールの基本形式は良質な音響を生み出すシューボックス型を採用し、シューボックス型音楽ホール(300 席)、プロセニアム型劇場(300 席)と平土間形式の3 タイプに変換可能である。
・交流施設
多目的室、交流スペースを始めとするコミュニティ諸室はホールを取り囲むように配され、回廊によってラウンジと繋がっている。ホールが使われていない時にはリハーサル室や楽屋などと一体となり、様々な使い方が可能である。