三重県熊野古道センターの基本設計公募型プロポーサル応募案である。
現代人のこころの巡礼地としての熊野古道と古道センターは、人々の生活の延長線上・精神の間近になくてはいけない。
世界的文化遺産としての熊野古道を現代の生きた「みち」としてどのように再生をしていくのか。
このセンターの計画は、とりもなおさず古道全体の整備計画の手法となる象徴的なパイロットプランとなることを目指している。
古道は常に人が移動し、適度な賑わいのある道であり、よく維持された森のなかにあることが重要である。この施設においては、その森の再生、道空間によって生かされる素朴な建築の再生をテーマとした。
現代人にとっての熊野古道は、「歴史の原点に立ち返る場」であり、「様々な意味においてエコロジカル」であり、「隈と奥を感じられる空間」である。
本計画では古道のこの3つの特徴をコンセプトの核として展開した。