塔を持つレストラン「Beacon」

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設計期間 2005年8月-2005年12月
施工期間 2006年4月-2006年10月
延床面積 291.76m2
建築設計 インテグレーティッド・デザイン・アソシエイツ
構造設計 山崎亨構造設計
設備設計 波田野設備設計
照明設計 Lighting M

PHOTO CREDIT: I.D.A.

敷地は大洗海岸に面し、両脇をショッピングモールと科学博物館に挟まれている。商業施設ゆえに両脇の大型施設に劣らぬ大形看板をデザインに要求された。その解答として高さ10mの木組の塔を配し、昼間はポンポン船をイメージするアイコンとして、夜間は内部からライトアップされた、ビーコン(Beacon)として、広告看板等に頼ることなく、人々を惹き付ける役割を担わせた。

建物は、海鮮和食を提供する店であるが、オーナーの意向でもある、ヨーロッパのギャラリエ的な空間で食事する、というコンセプトのもとに設計した。空間構成は、中央のメインダイニングを中心に、和風と洋風の個室・厨房・アプローチ・玄関ホール・サービスエリア、そして塔といった、個別の機能を持つブロックが置かれ、それらの間が庭となり、全ての客室がそれぞれの庭に面し、内包され、視覚的には周辺の大型施設の影響を受け無いように計画した。

建築の構成は海に近いことから塩害を考慮し。全て木造とした。メインダイニングはギャラリエ的な空間を構成するために。屋根にTJI床組工法を採用。7m×14mの無柱空間を可能とした。また、他の空間より天井を高くし、ハイサイドライトを設け、木製ルーバーで光を拡散することで、日中は柔らかい天空光で満たされ、夜間は天井内の間接照明が自然光と同様の光を演出すると同時に、外部に対しても行灯のような効果をもたらしている。また、そこに自然換気機能を持たせ、熱交流を有効にしている。10mの木組の塔は角材を焚き火のように井形に積み上げ、ランダムにかつ計画的にせん断ブロックを配し、HC工法によって上下材を緊結することで構造的要素を強く見せること無く組み上げている。

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