湯ノ山Sアトリエ

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設計期間 2007年3月-2008年3月
施工期間 2008年4月-2009年11月
延床面積 170.59m2
建築設計 インテグレーティッド・デザイン・アソシエイツ
構造設計 伊原構造デザイン研究所
設備設計 創環境設計

PHOTO CREDIT: I.D.A.

絵画を中心に活躍するアーティストの展示スペース、創作スペース、絵画教室を兼ねたアトリエである。施主は、日本の伝統工芸や日本の風俗、自然をモチーフにした絵を創作発表している。その技術を地域住民の方々へ提供すると共に、その交流の拠点としても使える場として計画された。

敷地は、東側の道路からなだらかに西にくだり、湯ノ山の豊かな自然が作り出す四季折々の景観と、敷地西側を流れる三滝川のせせらぎの音に包まれた場所である。 建物は、可能な限り湯ノ山の良好な自然環境を保全すること、自然環境を最大限享受しつつ、住環境としての快適さを十分確保すること、川に向かっての良好な風景を絵の題材とする,というコンセプトの元に設計した。

空間構成は、1階に、教室となる和室、教材の人形・玩具や作品などの収蔵・展示並びに販売を行う展示スペース、創作活動を行う創作スペース、食堂、厨房、浴室等の最小限の住居スペースを配し、2階は、画材等を収納する屋根裏収納とした。 各室は、低く押さえられた西側の深い軒、テラス、坪庭によって視覚的、空間的連続性を確保すると共に、周辺環境と緩やかに繋がる。

通年利用を快適にするため、川側から流れ込む清涼な風を、食堂・廊下・創作スペースの開口部から取り込み、食堂・廊下に設けた高窓から2階の収納スペースを通り排気する、という自然換気ルートを確保し自然の熱交換流を生み出す計画とした。 外壁は、墨色ステイン仕上げの杉板下見板張り、杉板本実板張りを採用することで、四季を通じて周囲の風土に調和する計画とした。

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