逗子S邸

<<BACK NEXT>>
設計期間 2009年8月ー2010年5月
施工期間 2010年7月ー2011年7月
延床面積 314.07m2
建築設計 インテグレーティッド・デザイン・アソシエイツ
構造設計 伊原構造デザイン研究所
設備設計 創環境設計

PHOTO CREDIT: I.D.A.

逗子海岸からほど近い閑静な住宅街に建つ個人住宅である。

建替え前の敷地に植わっていた紅葉の木を保存し、それを借景として取り入れること、RC造による堅牢な構造であると同時に、住環境としての快適さを確保することを目的とした。

平面計画としては、既存樹木を動かさずにそれを取り囲むようなコの字型とした。前面道路に面した南側には1階にガレージ及び玄関、2階に主寝室を配置し、中庭に面した北側には1階に和室をはじめとした各居室、2階にリビング・ダイニングを配置した。それらをつなぐ動線部分は、二層吹き抜けで中庭に面しており、開放的な空間を演出している。

また、地盤の特性から基礎部分にピットを設ける必要が生じたため、そのピットの空間を活用し、取り入れた外気をピット内に循環させることによって、地中熱を利用して温度を安定させる「クール(ヒート)・トレンチ」の考え方を採用している。そうして温度を安定させた空気を、ピット内の空調機に取り入れ、ダクト配管によって建物全体に送る全館換気システムとした。その他にも新しい時代に向けた環境共生型住宅を目指し、様々なアイデアを試みている。外壁・屋根面の外断熱や、複層ガラスと木アルミ複合による断熱性の高いサッシの採用による建物自体の性能の確保をはじめ、ルーバー状の庇による日射遮蔽、北面に高窓を設けることによる自然換気ルートの確保といった建築的な仕掛けの他、ヒートポンプ式温水床暖房、CO2冷媒ヒートポンプ式給湯器など省エネ性能の高い機器の設置、屋上全面の緑化や、自然石、瓦、天然木、低温乾燥による自然の杉板、調湿性の高い漆喰など、自然素材の積極利用を行っている。

閉じる